低ナトリウム血症とは

低ナトリウム血症とは

低ナトリウム血症はナトリウムの不足と捉えられがちですが、血清ナトリウム濃度は血液中のナトリウムと水分の相対的な比であるため、血液中のナトリウムに対して水分量が過剰であれば低ナトリウム血症(希釈性低ナトリウム血症)になります。そのため低ナトリウム血症は、①体液量が過剰および②体液量ほぼ正常の希釈性低ナトリウム血症と③体液量減少のNa欠乏性低ナトリウム血症の3つの病態に分類することができます(図1)。このうちSIADHは②の体液量がほぼ正常の低ナトリウム血症に該当します。

低ナトリウム血症は、それぞれの病態によって治療が異なるため、3つのどの病態に該当するか判断することが重要です。低ナトリウム血症(130mEq/L未満)症例196例の解析では、体液量がほぼ正常の低ナトリウム血症が34%を占め、体液量減少や体液量過剰の低ナトリウム血症よりも頻度が高かったとの報告があります1)

① 体液量過剰

水もナトリウムも増加しているものの、相対的に体内の水が多いため低ナトリウム血症となります。
浮腫や胸水、腹水などの症状を伴うことが多く、腎不全や心不全、肝硬変、ネフローゼ症候群などでみられます。

②体液量ほぼ正常

体液量は正常か10%以内の増減であるものの、血液中のナトリウムとの比で水分量が相対的に多い低ナトリウム血症です。SIADHや続発性副腎皮質機能低下症では、体液量が軽度増加した低ナトリウム血症がみられます。

③体液量減少

水も不足しているものの、それ以上にナトリウムが不足しており、相対的に体内の水分量が多いことから低ナトリウム血症となります。口唇や口腔粘膜の乾燥、皮膚ツルゴールの低下などが認められます。体液(細胞外液)量の減少する低ナトリウム血症としては、原発性副腎皮質機能低下症、塩類喪失性腎症、中枢性塩類喪失症候群、下痢、嘔吐、利尿剤の使用などが挙げられています。

図1 低ナトリウム血症の病態
低ナトリウム血症の病態

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  1. 1)Anderson RJ, et al.: Ann Intern Med. 102(2): 164-168, 1985

有馬 寛 日内会誌103(4): 849-854,2014
井村裕夫ほか編: 最新内科学大系12 内分泌疾患1 間脳・下垂体疾患
山口秀樹, 中里雅光 日内会誌105(4): 667-675, 2016
有馬 寛 今日の臨床サポートp10

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