低ナトリウム血症とは

低ナトリウム血症の症状

低ナトリウム血症では血漿浸透圧が低下するため、細胞外液が脳細胞に湿潤して脳浮腫となります。そのため、低ナトリウム血症の症状は主に脳浮腫による神経学的症状が中心です。

症状の有無や重症度は血清ナトリウム濃度低下の程度と進行速度に比例します(表1)。
急速に血清ナトリウム濃度が120〜130mEq/Lまで低下した場合は嘔気や頭痛などが出現しますが、緩やかに低下して慢性的に120mEq/L台を維持している場合は無症状のケースも多くみられます。しかし、一見無症状の低ナトリウム血症であっても、注意力の低下や歩行の安定性低下が生じ、転倒の危険性が上昇することも報告されています。
一方、血清ナトリウム濃度110mEq/L以下まで著しく低下すると、意識レベルの低下や痙攣、昏睡に至ることがあり、さらには脳浮腫による脳ヘルニアを合併することもあります。

表1 SIADHの血清ナトリウム濃度による分類
血清Na
(mEq/L)
意識障害 筋肉痙攣 全身状態
125〜134 なし なし 異常なし〜
倦怠感、食欲低下
115〜124 刺激なしで覚醒するが清明でない(JCS I-1)
〜刺激なしで覚醒するが、名前、生年月日が言えない
(JCS I-3)
四肢筋のこわばり
〜筋線維痙攣
頭痛〜悪心
114以下 刺激すると覚醒する
(JCS II)
〜刺激しても覚醒しない
(JCS III)
全身痙攣 高度の倦怠感、頭痛、嘔吐など

加藤 譲(班長):厚生省特定疾患間脳下垂体機能障害調査研究班 平成10年度総括研究事業報告書,P55,1999より作成

盛田幸司 内科 124(6): 2445-2448, 2019
有馬 寛 日内会誌103(4): 849-854,2014
門川俊明 月刊薬事59(5), 889-893, 2017
病気がみえるvol.3 糖尿病・代謝・内分泌 第5版: メディックメディア, 2019

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