SIADHを疑うヒント
症状から疑う |
---|
倦怠感や食欲低下、頭痛、悪心、脱力、傾眠、痙攣、意識障害など低ナトリウム血症の症状を有する (低ナトリウム血症が軽度あるいは緩徐に進行した場合は症状を自覚しないこともあります) |
所見から疑う | |
---|---|
細胞外液(体液)量の減少を認めない | 下記のような所見を認めない: 頻脈、口唇および口腔粘膜の乾燥や皮膚ツルゴール反応の低下などの身体所見のほか、下痢や嘔吐、利尿薬使用など |
細胞外液(体液)量の増加を認めない | 下記のような所見を認めない: 腎不全、心不全、肝硬変、ネフローゼ症候群などの疾患、浮腫や胸水、腹水などの身体所見 |
SAIDHの原因となる疾患や薬剤の服用歴あり | SIADHの原因となる可能性のある中枢神経系疾患や肺疾患、バソプレシン産生腫瘍の存在のほか、薬剤の使用歴を有する さらに詳しくSIADHの原因 |
臨床検査値から疑う | |
---|---|
血清ナトリウム濃度135mEq/L未満 | 血液検査で低ナトリウム血症を認める |
血漿浸透圧280mOsm/kg未満 | 血液検査で低浸透圧血症を認める |
尿浸透圧>100mOsm/kg | 尿検査での尿浸透圧が100mOsm/kg超であり、最大希釈尿を認めない |
尿中ナトリウム濃度≧20mEq/L | 細胞外液(体液)量がほぼ正常で、尿中ナトリウム濃度20mEq/L以上の低ナトリウム血症ではSIADHの可能性を考慮 |
血漿レニン活性≦5ng/mL/時 血清尿酸値≦5mg/dL |
SIADHでは、血漿レニン活性5ng/mL/時以下、血清尿酸値5mg/dL以下であることが多く、他の低ナトリウム血症を呈する疾患との鑑別に有用 |
以下のリンクは大塚製薬のサイトから外部サイトに移動します。
今日の臨床サポート
https://clinicalsup.jp/jpoc/contentpage.aspx?diseaseid=364(2023年9月現在)
柴垣有吾. 監修/深川雅史. 体液電解質異常と輸液 改訂3版. 中外医学社 ; 2019. P56.