低ナトリウム血症とは

低ナトリウム血症の治療

低ナトリウム血症の治療は、①体液量が過剰、②体液量ほぼ正常、③体液量減少のいずれかの病態によって異なります。また、低ナトリウム血症をきたす原因疾患が存在する場合は、原因疾患に対する治療も行います。血清ナトリウム濃度が120mEq/L以下で、けいれんや昏睡などの中枢神経症状を伴う場合は、緊急に血清ナトリウム濃度の補正をする必要があり、高張食塩水あるいは3%食塩水の点滴投与行います。

緊急性がなく、体液量が過剰な低ナトリウム血症では水分制限やナトリウム投与を基本として、利尿薬による治療を行います。また体液量が減少した低ナトリウム血症では0.9%生理食塩水やリンゲル液などの点滴投与を行います。

体液量がほぼ正常の低ナトリウム血症では、原因疾患に応じて甲状腺ホルモンや糖質ステロイドの補充などの治療、SIADHでは水制限を行います。鑑別が難しい場合は輸液負荷など診断的治療を行って慎重に経過を観察します。

山口秀樹, 中里雅光 日内会誌105(4): 667-675, 2016
柴垣有吾 著 深川雅史 監修 体液電解質異常と輸液 改訂3版 中外医学社 2019 p62-66
塚本雄介 専門医のための水電解質異常 診断と治療 東京医学社 2020 p63-64

次のページ:ナトリウムの動態学