診断について/SIADHの鑑別診断

体液(細胞外液)量の減少する低ナトリウム血症
塩類喪失性腎症

塩類喪失性腎症(renal salt wasting syndrome: RSWS)は、腎尿細管障害によりナトリウムと水の再吸収が障害されることで、水とナトリウムが尿中に喪失し、体液(細胞外液)が減少して脱水を伴います。ナトリウムの喪失が水の喪失を上回るため体液(細胞外液)量の減少した低ナトリウム血症をきたします。RSWSは、低ナトリウム血症、低浸透圧血症、尿中ナトリウム濃度高値、尿浸透圧高値であり、血漿ADH濃度も抑制されていないことから、SIADHの診断基準における検査所見をほぼ満たしており、鑑別には体液(細胞外液)量の評価が重要になります。RSWSでは、体重減少、口腔粘膜の乾燥、皮膚ツルゴールの低下、起立性低血圧など脱水を示す所見から慎重に判断していきます。

治療の基本は輸液や経口による十分な水とナトリウムの補給であり、誤ってSIADHと診断して水分制限を行うと、低ナトリウム血症の悪化や脱水の進行のおそれがあります。

松浦友一 日腎会誌54(7): 1016-1022, 2012
藤川太郎ほか 日耳鼻118:1046-1052, 2015

体液(細胞外液)量の減少する低ナトリウム血症:中枢性塩類喪失症候群