診断について/SIADHの診断基準

血漿バソプレシン濃度

「SIADHの診断と治療の手引き(平成30年度改訂)」では、診断基準の検査所見の1つに「低ナトリウム血症、低浸透圧血症にもかかわらず、血漿バソプレシン濃度(血漿ADH濃度)が抑制されていない」を挙げています。

SIADHは、不適切な抗利尿ホルモン(ADH)の分泌により低ナトリウム血症を呈する疾患であり、診断には低ナトリウム血症、低浸透圧血症にもかかわらずADHの分泌が抑制されていないことを証明する必要があります。そのためには、低ナトリウム血症(135mEq/L未満)、低浸透圧血症(280mOsm/kg未満)が示された時の同時採血で血漿ADH濃度を測定し、その結果が基準値内または高値であれば、血漿ADH濃度が抑制されていないと判断できます。正常時、血漿ADH濃度は測定感度未満であるため、血漿ADH濃度が高値ではなく正常値であっても、血漿ADH濃度が抑制されていないと考えることができます。

厚生労働科学研究費補助金難治性疾患等政策研究事業「間脳下垂体機能障害に関する調査研究」班 編 日本内分泌学会雑誌 95(Suppl), 18-20, 2019
山口秀樹, 中里雅光 日内会誌105(4): 667-675, 2016
石川三衛 Fluid Management Renaissance 3(1): 46-51,2013
柴垣有吾 著 深川雅史 監修 体液電解質異常と輸液 改訂3版 中外医学社 2019 p70-71

次のページ:尿浸透圧