診断について/SIADHの診断基準

副腎皮質機能

「間脳下垂体機能障害と先天性腎性尿崩症および関連疾患の診療ガイドライン2023年版」では、SIADHの診断基準として「副腎皮質機能正常」を挙げています。

SIADHは、副腎機能が保たれた上で、ADHの不適切な分泌により生じる低ナトリウム血症です。
副腎皮質から分泌されるコルチゾールは腎臓でのナトリウムの吸収を促進する一方、抗利尿ホルモン(ADH)の分泌を抑制します。そのため、副腎皮質機能が低下するとコルチゾールの分泌が減少し、腎でのナトリウム再吸収の低下、ADHの分泌亢進により低ナトリウム血症となります。

SIADHの診断では、副腎皮質機能低下による低ナトリウム血症を除外することが重要であり、診断基準の1つとして「副腎皮質機能正常」が示されています。

監修/有馬 寛. 間脳下垂体機能障害と先天性腎性尿崩症および関連疾患の診療ガイドライン2023年版. 日本内分泌学会雑誌;2023. P21-23.
山口秀樹ほか : 日内会誌. 2016 ; 105(4): 667-675.
有馬寛 : 日内会誌. 2014;103(4) : 849-854.