診断について/SIADHの診断基準

血漿バソプレシン濃度

「間脳下垂体機能障害と先天性腎性尿崩症および関連疾患の診療ガイドライン2023年版」では、診断基準の検査所見の1つに「低ナトリウム血症、低浸透圧血症にもかかわらず、血漿バソプレシン濃度(血漿ADH濃度)が抑制されていない」を挙げています。

SIADHは、不適切な抗利尿ホルモン(ADH)の分泌により低ナトリウム血症を呈する疾患であり、診断には低ナトリウム血症、低浸透圧血症にもかかわらずADHの分泌が抑制されていないことを証明する必要があります。そのためには、低ナトリウム血症(135mEq/L未満)、低浸透圧血症(280mOsm/kg未満)が示された時の同時採血で血漿ADH濃度を測定し、その結果が基準値内または高値であれば、血漿ADH濃度が抑制されていないと判断できます。正常時、血漿ADH濃度は測定感度未満であるため、血漿ADH濃度が高値ではなく正常値であっても、血漿ADH濃度が抑制されていないと考えることができます。

監修/有馬 寛. 間脳下垂体機能障害と先天性腎性尿崩症および関連疾患の診療ガイドライン2023年版. 日本内分泌学会雑誌;2023. P21-23.
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